君が鋭くて鋭利な針になりたいといった

僕は君を守れるだけの強さがほしくて、盾になりたいと思った
そうすれば僕は君に触れることも出来ないから、君が針になる必要は無くて
僕が盾にさえなれれば、そうすれば君は僕を刺さなくて済むから。

だから僕は、大きくて強い盾になりたいといったんだ。

また彼がびしっと中指を立てる。
コレがくちなしの君の言葉の発し方。
いっぱい意味の詰まったそれは、いつも同じ形。
奪われてしまったようだ、その形に。
君の大切なもの、笑顔とか涙とか、怒りとか苦しみとか諸々。
だから君は感情が薄いのかと思ったけれど、そこで思考は停止した。
感情が無いのは寂しいね、かなしいね。
だったら、君から全てを奪わせたその指さえなければ君は笑ったりするのが日常的になるのかな。


『むじゅんしたはなし』


彼は盾になりたいといった。俺がくちなしだから。
この中指に全部の言葉を入れて、記しているのをあいつは実は知っている。
誰よりも早く気付いた。
あいつより付き合いの長いカウンセリングのあのウザッたい先生よりも早く気付いた。
近くに居たクライドやトークンも気付かなかった、だって見て見ぬフリ。
だけれど彼は盾になりたいと、俺をその矛から救いたいといった。
だけどムリだと、違うのだと中指をお見舞いする。

これは囚われているんじゃなくて、俺が捕らえてるんだ、わかってるか。

ひとつの言葉も、臆病でなかなか口には出せないから捕らえたこいつに代わりに言ってもらう。
ほら、言葉を忘れたんじゃない。変わりに伝えてもらってるんだ。
もう一度中指を立てると、やつは下を向いた、何を言いたいのかわかる。

それは矛盾だよ。

本当は知っているんだ、言葉の発し方など。
ただ言葉に臆病なだけで、言葉にするのが嫌なだけなんだ。
言葉って恐いだろう、むかしどっかの偉いやつが決めた意味なんて、俺は知らない。
俺は鋭利な刃物になりたいんだ。切り口しだいで、いろいろ変わるだろう。
俺のこの中指も同じ理由さ、いろいろな意味がある。
たとえばおまえを遠ざけたい時、中指を立てる、おまえはわかってくれる。
たとえばおまえが抱きしめてきた時、中指を立てる、おまえはわかってくれる。
おまえだけにわかればいい、おまえだけでいい。

「・・・わ、わかったよ。」

すかさず中指を立てると、脳の中で言った言葉は、
少なからず重要なところだけはトゥイークの中に流れ込んだようで、呆れたように、頷く。

少なからずおまえは知ってるはずさ、俺がどうしようもないくちなしだってこと。
おまえにダイレクトに伝えたいから、中指を立てて、それを刃物に見立てて、おまえを脅すんだ。

おまえも、俺もなりたいものになんてなれないからさ。



20080401 トゥイクレ 行き過ぎた友情。
クレイグの言いたいこととか気持ちが若干表情に出てることをトゥイークは知っているっていう妄想
あ、でもクレイグ様ってけっこう喋ってるよね・・・orz